金のバロット

バロットとは、東南アジアを中心に食される孵化寸前のアヒルの卵を茹でたもの。

令和2年9月8日

朝7時に起きるハズだったが、7時半に起きた。7時55分には家を出ねばとギリギリで家を出る。朝食は取らない。自転車を懸命に20分走らせる。今日は暑かった。こんな社会人になりこんな毎日が続くと思うと気落ちした。駅に着くと人混みの臭さや食品の匂いに驚いた。電車に乗る。今日は本社に行き打ち合わせする。今日までなんとか働かずにやり過ごして来たが、とうとう働かねばならないらしい。今日までの5ヶ月間。とても意義のあるものだった。漫画を描いた。人生で最も長く描いた。生きている感じがした。僕の価値観に不健康な奴がカッコいいという風潮がある。というか、好きに寝て起きることが生きている感じをさせた。

打ち合わせとは派遣先の顔合わせの練習のようなものだ。それを担当したのが25歳の上司の女性。ああ、僕は3年後にどうしているのだろうか。今描いている漫画は書き終われるのだろうか。とも思った。

今描いている漫画は少年が青年になるまでの話なもんで、高校生てどんな感じたったかと、一ヶ月くらい前に全く知らない人のTwitterの高校生時代のツイートとか画像を眺めてみた。体育祭や文化祭、部活動などの楽しげな画像ばかりでこっちも楽しくなったけど、自分が高校生の時は何もしてなかったと悲しくもなった。でも僕は他人の光部分の充実した様しか見ていないからなとも思った。小学校の卒業アルバムも眺めた。田舎の子供は着ている服がダサいなと思った。男も女も性別関係なく似たような服を着ていて、良くも悪くも性差がなかった。

今日はこんなことをずっと考えていた。人の話なんか聞いてられない。

 

会社での打ち合わせが終わった後は銀座の蔦屋に行った。浅野いにおグッズがあると聞いたので東京に来たついでに行ってみた。銀座の蔦屋はハイカラなもんで置いてある漫画もお洒落に見えた。浅野いにおのオリジナルデザインのTカードだけ買った。僕の漫画もあんな場所に陳列される程の粋なものでありたい。1週間もすれば忘れるような今日の出来事でした。

 

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ちなみにオリジナルデザインのTカードはネットでも他の店舗でも買えます。

現状。

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生きています。漫画を描いています。一話はペン入れが終わったのですが、三話までを一気にTwitterに上げる予定なので、公開はあと一ヶ月程度先の予定です。


iPhone8と数千円のWacomの板タブと数万円のクリスタペイントプロと20万円のゲーミングpcと百均のルーズリーフ(400枚程度)と5年前の日大のオープンキャンパスで貰ったシャーペン、消しゴム、シャー芯、etcを駆使して。身一つで。不器用な左利きで漫画を描く。

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ネームは出来ています。800頁くらい。4ヶ月もかかりました。それは予想外です。後は描くだけです。描き上げることが現状の夢なのです。描き終わるのは来年でしょうか、再来年でしょうか。

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あと、僕の唯一の心友に漫画の原作を頼まれてネームを書きました。作画は心友です。そっちも楽しみです。



ビートたけしがTVで芸術の創作活動は社会が上手く機能していないと上手くいかないと言っていたけれど、僕の場合はそんな事はなく。

体重も増えた。精神も安定している。不安はない。仕事もない。


漫画家になるには漫画投稿して編集者がついて共に漫画を作っていって、連載に向けていくのが普通だろうけど。僕は漫画は読むけれど雑誌は読まんし。

天下の少年ジャンプの『鬼滅の刃』だって、アニメ化してから単行本がバカ売れするようになったわけだから、漫画雑誌の影響力ってそれ程無いのかもしれないし、編集者も何が売れるのかわかんないだろうなと思う。


現状、僕は自由に描きたいから勝手に漫画を上げて行こうと思う。この作品を描き上げてから今後を考えようと思う。

7/17(金)『Mother マザー』観てきた。

昨日は久しぶりに映画を観てきた。『Mother マザー』ていう長澤まさみ主演の映画。

 

『Mother マザー』

働かず家族や周りの人間に金を無心しパチンコや男に浪費するネグレクトの母親・秋子とその息子・周平が祖父母殺人を犯すまでを描く。

 

つまらなかったです。つーか予告詐欺でした。聖母や怪物だの、感動とか言ってるけど、別にないです。まるで周平が少年の時からストーリーが始まるような感じをさせるのに幼少期→少年期のように、ただただ時系列ごとに描きます。エンタメ性ゼロです。

 

万引き家族「誰も知らない」のような是枝映画みたいでした。

是枝映画って子供がよく登場するんですが、是枝監督はなぜか「子供は無垢な存在」として無害で悪意のないモノとして描くんです。子供こそ単純で残酷で先を見透かせないから誤った行動をとるものだと僕は思うのです。あと文章に起こしても面白くない映画を撮りますよね。だから、是枝映画は嫌いですね。

 

『Mother マザー』はそんな感じがしました。

それに少年の告白に涙するって、オチに持ってきてますが、皆さんの予想通りのオチです。つーか、育児放棄を受けた学校にも通わせてもらえなかった子供は自分で考える力がないから、告白もクソも出来ませんよ。

タイトルも良くないです。これって”酷い目に遭っているのに母親を愛してしまう息子のマザコン”を描こうとしたのに、何も自分では考えられない息子の内面は描かず、母親のバッグボーンも描かない。なぜ、シングルマザーなのかも描かない。ただただ、実話をなぞっただけの映画なんです。

 

“考えさせられる”ってなんじゃそりゃ。

 

 

ps.最近買った面白かった漫画

『さよならガールフレンド』(高野雀)

6月も終わる。

働いていない(PCで会社が用意した変な講義を5、6時間ぐらい聞かなきゃならん)。だが金が入ってくる。これが正社員って奴か。一年前、就活するか悩んだが、後々良かった。9ヶ月くらい前に上京しようと思っていたが、とどまって良かった。

 
僕は今の自分の月の出費について考えてみた。ケータイ代、漫画、Netflix、ノートPCの保険、その他諸々。月に17000円くらい。かなりリーズナブルな生活をしている。こんな人間が週五で働こうと思うかね。でも10月から奨学金の返済が始まる。月に33440円。今の基本給だけで言えば、そのうちの月15万円を4年で返せる。こう思うとそこまで辛くない。20年もかかるとなると辛くなる。僕の今の目標は30まで生きることなので。
 
4年後。26か27。まだ夢が追える。
 
最近は、漫画の「セトウツミ」と「凪のお暇」を買った。「セトウツミ」は最後の3話くらいから一気にテイストが変わる。関西弁でひたすらの会話劇の漫画。「凪のお暇」は緩い絵柄の癖にエグい。多分作者はいい性格しているハズ。田舎と家族が嫌いになる。
 
今勝手に描いてる漫画のネームが24話目です。来月までには後10話以内に完結して作画に入って勝手にTwitterにあげていきたいです。描き切るまで2、3年かかりそうですね。
頑張るぞー。
 
現世のオススメのドラマ
『SPEC』
Amazonプライムで一ヶ月前に見直していたら、つい最近なんか地上波でやっていたぞ。
 
最近は、”悒うつぼ”ばかり聴いている。
 

雑に好きな漫画紹介!

暇潰しに書いてみる。

 

おやすみプンプン』(浅野いにお)全13巻

おやすみプンプン(1) (ヤングサンデーコミックス)

少年時代に恋の呪いにかけられたプンプンが大人になるまでの話です。ファムファタールです。プンプンのどうしようもない受け身な感じが好きです。

雄一おじさんの過去やプンプンママの話、7巻の70話、9巻の99話とか好きです。暗い漫画があっても良いんだと僕は救われました。

こんなん全然鬱漫画じゃないです。韓国映画の『チェイサー』でも観てみて下さい。めちゃくちゃ胸糞悪いですよ。

 

 

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(浅野いにお)既刊9巻

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(1) (ビッグコミックス)

東京の上空に現れたUFOとの戦争中の平和な現代日本での女子高生たちの話です。戦争経済や政治的な思想がよく描けていて、陰謀論的なデストピア感があります。青春もの、セカイ系(ちっぽけな人間の主人公が世界を変える)の要素もあります。

進撃の巨人の真逆なイメージです。おんたんが本当にカッコいいです。

 

 

『Pink』(岡崎京子)全1巻

pink 新装版

昼はOL、夜は売春で働くワニを飼う主人公のユミと継母とのいざこざやその愛人のハルヲとの恋愛を描く。

コマ割のセンスが凄すぎ。シンデレラ的な要素もあります。こういう行動する女性主人公の漫画は好きです。

 

 

リバーズ・エッジ』(岡崎京子)全1巻

リバーズ・エッジ オリジナル復刻版

世界が終わる感漂う90年代。主人公の若草ハルナがいじめられっ子の山田くんと仲良くなり、宝物を見せてもらうことに。その宝物は川原に放置された人間の死体だった。って話です。

死に希望を見出している感じが好きです。空虚感とか詩的な感じが好きです。しかし実写映画はクソです。

 

 

『春と盆暗』(熊倉献) 全1巻

 

春と盆暗 (アフタヌーンコミックス)

変わった女の子が出てくるボーイミーツガールモノです。

第1話の「月面と眼窩」と第4話の「甘党たちの荒野」、おまけの「二足獣」が好きです。変わり者の思考回路が個人的に共感できて好きです。

 

 

恋は雨上がりのように』(眉月ジュン) 全10巻

恋は雨上がりのように(1) (ビッグコミックス)

女子高生がバイト先の店長のおっさんに恋する話です。

健全すぎて好きです。心が洗われました。アニメ版も美しくて好きです。小松菜奈主演の映画は、くどくてそんなに好きじゃないです。ただ小松菜奈が可愛いです。

 

 

ヒミズ』(古谷実)全4巻

ヒミズ(1) (ヤングマガジンコミックス)

貸しボート屋のせがれの中学生の住田は普通に生きることが夢。しかし、母は駆け落ちし捨てられ、父親の借金のせいでヤクザから取り立てられ、まともには中学校に通えなくなる。そしてある事件を起こし、街を徘徊し悪い奴を殺すためのおまけ人生が始まる。

絶望感がたまらない。映画版も好きです。

 

 

ヒメアノ〜ル』(古谷実)全6巻

ヒメアノ~ル コミック 1-6巻セット (ヤングマガジンコミックス)

味気のない毎日を送る青年の岡田くんはバイト先のキモい先輩の安藤に恋の手伝いをするように頼まれる。しかし安藤の好きなカフェ店員のユカと付き合うことになる。そんななか、ストーカーのサイコキラーの森田くんが日常を浸食する。

僕が思うに、救いがないようで、読者を救っているんです。岡田くんのコメディと森田くんのスリラーの同時進行な漫画です。映画とは全くの別物ですが、映画もオススメです。

 

ドロヘドロ』(林球)全23巻

ドロヘドロ(1) (IKKI COMIX)

魔法によって頭をトカゲに変えられた記憶喪失の男が相棒の女のニカイドウと共に、自分の姿と記憶を取り戻すため、魔法使い狩りする話。

ほんわかスプラッターという新たなジャンルを作り出しただけでなく、トリックや伏線回収が見事な漫画です。

 

 

他にも、『ファイアパンチ』『チェンソーマン』(藤本タツキ)、『地獄のアリス』『フリージア』(松本次郎)や亜人ゴールデンカムイ、『惡の華』『血の轍』(押見修造)、『ここは今から倫理です。』とか好きです。

 

いぬやしき』『GIGANT』(奥浩哉)は”絵本漫画”で話が進まないので好きじゃないです。あと『ミスミソウ 』(押切連介)の良さが分かりません。

全ての人に届け。最強の個人主義。

『僕らは奇跡でできている』は2018年の日本のテレビドラマ。全10話。以下『僕キセ』と略す。

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高橋一生扮する動物行動学を教える大学講師の相河は生き物や自分の気になったものへ没頭するあまり、周りが見えなくなる遅刻常習犯。周囲の人間(大学の同僚、生徒、通う歯医者)を困惑させる彼だが、常識や固定概念を捨て、ひたすらやりたいことをする姿が周りに変革を齎す。

メディチックなドラマです。アンジャッシュの児島さんが相川の大学の同僚の風変わりな研究者として出演しています。アンジャッシュの著名なコントと言えば、「すれ違い」コントです。このドラマはそのすれ違いコントを児島さんの前でやるのです。一方は大学教授の話をしていて、一方の相河はサル山のサルのボスの世代交代の話をしていて、アンジャる(すれ違う)わけです。本当に僕のツボなことをします。

 

ニコニコと好きなことの話をする相河(高橋一生)萌えなドラマでもあります。その姿は美しいのです。

そしてアドラーの『嫌われる勇気』「課題の分離」に通ずる作品なのです。

 

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

【15分で解説】嫌われる勇気|承認欲求は生ゴミでした。(YouTube、サラタメさん【サラリーマンYouTuber】より)↓

https://youtu.be/rZBeETz8YSw

馬を泉まで連れて行くことは出来るが、馬が水を飲むかはその馬次第。

馬を泉まで連れて行くことは自分の課題であり、水を飲ませたいが水を飲むのは馬の課題である。

 

『僕キセ』では、リスの話が例に挙げられます。とある日本の森。リスは人間の作った道路を境に右では分布するが、左ではその姿を確認できない。

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「リスは渡れないのか、渡らないのか。」

こんな疑問を抱いた相河はリスに向こうの世界へ行ける手段としての吊り橋を作ります。

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相河にリスを渡らせたいのかと聞くと、橋を渡って向こうの世界に行くかどうかはリスの自由だと答えます。

 

誰しもが誰かにこう思われたい、褒められたい、評価されたいなど承認欲求が存在します。でもそれは自分ではどうしようもないことです。相手をコントロールすることは出来ないのです。

 

寓話の「ウサギとカメ」の解釈についても語られます。この寓話は、努力しないウサギをコツコツ努力するカメが追い越す話、怠け者への戒めのような話です。

なぜカメはゴール目前で寝ていたウサギを起こさなかったのか。その理由です。

相河の解釈では、カメは努力していないらしいです。カメは地面付近の世界しか見ていない。そもそもウサギの存在すら見えていないから、ウサギを起こさなかった。一方、ウサギは他人を見下すためにカメと勝負したと話します。

 

 

もう一つの大きなポイントは、このドラマは自己肯定の物語なのです。特に素晴らしいところはそこです。理解されない孤独な人への指標であり応援歌なのです。

 

「僕は人となかなか仲良くなれませんから。でも一番仲良くなりたい人と仲良くなれたから、それでいいんです。昔はその人のことが本当に大っ嫌いで(中略)僕です。

昔の僕は僕が大嫌いで毎日泣いてました。」ep2の相河より

 

エピソード1では、相河は虫歯になってしまい、歯医者を訪ねます。そこで絵を描く少年に出会います。少年と相河はとても馬が合う様子。相河は少年の描く絵をとても褒めます。少年のウサギとカメの解釈に賛同します。でもその少年は勉強が出来ず、母親からは叱られてばかりいます。少年は相河のかつての姿なのです。エピソード7では、相河とその少年の母親との対峙、過去の自分のトラウマとの対峙を描きます。

 

「(勉強が出来ない自分の息子に”やれば出来る子”といい聞かせる母親に向かって)やれないのかもしれません。」

「やりたいことだけやればいい。やらなきゃと思うことはやらないていいと祖父は言いました。僕は(得意な)科学が出来なくてもいてもいいんだ、と思えるようになりました。」ep7の相河より

 

僕はエピソード7で泣いてしまいました。大人に理解されなくて叱られている自分、クラスで浮いている自分を思い出しました。

 

『僕キセ』のちゃんとしているところは、その”自分のやりたいことだけをやればいい”の理想に釘を刺すこともします。やりたいことなんてない。やりたいことがある人は、ほんの一握り。やりたいことだけ考えていて、自分の進路を考えている気でいてはダメ。などという現実。

 

このドラマの仕掛けたマジックは“やりたいことだけやる”が周りを変えていくのです。相河は周りのことなんて考えてません。好きなことを突き詰めれば共感を得られるという作家志望への教科書でもあります。

この最強の個人主義を皆に届けたい。

世間が漫画業界に遅れている。

巷で「鬼滅の刃」が流行っているので、Netflixでアニメを10何話くらい観てたのですが、全くハマらなかった。何故だろうか、あらゆるものの既視感と、技名を叫ぶバトル、キャラがめっちゃ叫んでコメディやってるのが好きになれなかった。

お前が単純に流行ってるもの否定したいんだろとか言われそうだが、そんなことない。僕だって盛り上がりたい。「カメラを止めるな」を映画館で観た時、劇場が満員で他の客と一緒に笑い、共感したのは結構嬉しかった。

 

なんか、Twitterで鬼滅の作者が女性だった的な盛り上がりを見せている。よくそんな盛り上がれるなぁ。何の熱を持って批判したり擁護するのか。

 

漫画はこの世で最も平等な世界なのに。今から大学で学んだ漫画の歴史や世界の漫画についての知識をひけらかします。

ハリーポッター」の作者のJ・K・ローリングはイギリスの出版社で女性差別を受けたらしいです。21世期の紳士の国なのに。フランスのバンド・デシネやアメリカのアメコミでは女性作家が全くいない。フランスでは漫画は男の読むものとしての扱いを受けている。そもそも、漫画業界の規模が小さい。

では、日本は。日本の漫画業界の作家の男女比は半々。まあ、戦前から長谷川町子という女性作家が既に存在していた。当初、戦後の少女向け漫画を書いていたのは、手塚治虫赤塚不二夫だったのに、次々と女性作家が現れた。萩尾望都とか。

 

何が言いたいかって言うと、鬼滅の論争自体が僕にとって異質。

 

 

余談。

最近は、アニメの「恋は雨上がりのように」と「ハッピー・デス・デイ」を観ました。良作でした。「恋は雨上がりのように」は漫画全巻で買いました。とても楽しみです。あと、「亜人」、「血の轍」、「ジャガーン」の新刊を買いました。「血の轍」は、”群馬弁萌え”で好きです。以上。

『鈴木先生』が気持ち悪い。

鈴木先生』とは、中学校を舞台に主人公の鈴木先生がごく普通の生徒に焦点を当て独自の教育論で問題を解決していくといった内容の漫画、テレビドラマ、映画作品である。

 

僕はAmazonプライムで観れるということでテレビドラマを観たのだが、一言で言うと「気持ち悪い」だった。

 

 

鈴木先生 完全版 DVD-BOX

鈴木先生 完全版 DVD-BOX

  • 発売日: 2011/09/07
  • メディア: DVD
 

 

 

第一話は、中2男児が小4女児の処女を奪う、同意の上でセックスをする。小4女児の親が知ってしまい問題になり、そのことについて鈴木先生が説くといった感じだ。この時点でもう気持ち悪い。その中2男児の言い訳が「相手が大人っぽいからセックスをしても問題ない」だという。それを理性的ぶって言っているのが不快。しかも処女性についても議論する。

つまり、『鈴木先生』は中学生がセックス観について大ぴらに議論するドラマです。

 

このドラマの最も気持ち悪い所は、男どもの妄想全開のロリコン推進なところ。鈴木先生は美少女の小川蘇美への妄想を膨らませている。彼だけでなく体育教師もジョークでセクハラ発言をする。中学生を性的な対象として見ているのを一切恥じていない。ストーリーが進むと体育教師のセクハラやパワハラが問題になります。でもその原因が欲求不満のせいらしい。これはコメディですか?

 

鈴木先生は理性的で論理的でまるで面倒見が良い”良い先生”のように作中では表現されています(そのコントラストで増し増しで気持ち悪い)。しかし彼の実態は平然と贔屓をするし(人間だから贔屓するのは仕方ないが、彼が誇らしげに語る教育論とは真逆)、クドイ言い回しをして偉そうな語り口をするのです。まあ、ウザい。

そして、物語の後半に登場する鈴木先生の彼女がそんな彼のフェチズムへの物分かりの良さも気持ち悪い。

 

足子先生という鈴木先生のライバル的な存在の描き方も気持ち悪い。足子先生は女性でフェミニストです。自分が正しいと思い込み、空気が読めない。ヒステリーを起こします。何が嫌かって、鈴木先生には共感できるような演出をし、足子先生には全くしないところです。しかも、彼女の問題行動は欲求不満が原因らしい。

人間の行動原理はどうやら全部欲求不満らしいですね。

 

このドラマは第二話だけは素晴らしかったです。僕はこのドラマを好きな人とは仲良く出来ない。

自己責任論にケリをつけたい。

夢を追い大変な状態でも自己責任。貧困に喘ぐのも自己責任。

それは正論かもしれないが、果たして正論は人を救うのか。正しさだけで救えるのなら悪なんていない。誰だって失敗するのにそれに対する救済はないのか。

 

鹿は生まれてすぐに立ち上がり草原を駆け巡ります。もちろん、人間は違います。人間は進化により脳が頭が肥大化したことで母親の狭い産道を通るため、成長しきらずに未熟な状態で生まれてきます。未熟なため、他の生物より本能と呼ばれる部分が発達せず、生まれてから社会性を学びます。進化により母親は一人で子供を生むのは困難で他人の手を借りるようになりました。そして、親や周りの大人に赤子の善悪は委ねられます。かつては子どもは 3世代の家庭で育てられていました。しかし現在では核家族が一般的です。善悪を教える母数が少ないのです。

 

 

黒子のバスケ脅迫事件の犯人の言葉を読みました。それに対するリプも見ました。「ただの妬み」の一言で彼を片付けられるのなら、貴方は幸せなのでしょう。でも、そんな言葉より犯人の言葉の方が血が通っているように見えた。

僕は犯人を擁護するつもりはないです。黒子のバスケの作者や上智大学、世間が被害者で彼は加害者です。でも、僕らは加害者を悪を救うことは出来ないのだろうか。

この事件にも自己責任論が登場するのです。

 

黒子のバスケの作者を標的にした理由は、バスケ漫画であり、BL的要素があり、作者の新宿出身の上智大学中退という学歴の三つの条件にとても憧れていたから。「夢を持って努力できた普通の人たち」が羨ましかったと語ります。

彼にとって人生で熱中した唯一のものはこの事件。捕まって檻の中の方が居心地が良い。話し相手がいる。劣等感を感じさせる勝ち組はいない。三食バランスの良い食事が取れる。イジメがあったとて、かつて小学生時代の両親や教師より今日の刑務官の方がきちんと対応してくれるだろう。そして、死にたいと。

犯人は「生けるしかばね」「負け犬」「無敵の人」と自称しました。自分の人生に関心がない、親の保護もなく自立もない、楽しいという感情がない、ネガティヴ。つまり、親ガチャに恵まれなかった。

そして事件について、親ガチャでハズレのなかった人々から、「努力は報われるのだから、努力不足である本人のせいだ」という意見をぶつけられたそうです。努力信者に嫌悪感を抱いた。彼曰く、「負け犬」には四種類あり、「努力した人」「努力しなかった人」「努力できなかった人」「努力という発想がなかった人」。自己分析によると、彼は努力するという発想すらなかった、自分には可能性がないと思う人「埒外の民」だという。

この先、日本社会は自分のような勝ち組の足を引っ張る「無敵の人」と対峙せねばならなくなると。

 

彼は出会えなかった。救ってくれるものに。両親に、その他の大人に、友人に、恋人に、夢に、漫画などの作品に。個人的に漫画家になれよと思う。

 

 

近年。

元農水次官の父親が引きこもりのDV息子を殺した事件。父親は自己責任を果たした。

 

相模原障害者施設での虐殺。犯人は自己責任が果たせない人間(障害者)は人間ではないと事件を起こした。

 

 

僕は個人的に自己責任論が流行っているなと感じる。自己責任が好きな人へ。集団に属せば、自分が悪くないのに他人の失敗を被ることがあるはずだ。上司のせいで、家族のせいで、全く見知らぬ人のせいで、酷い目に遭う。貴方は理不尽を知っている。

しかし、民主主義社会で競争社会の現代。男性は生まれながらにして、外で働き競争に参加させられる宿命だ。だから自殺するのは男性の方が多い。しかし、これからは女性も外へ出る。リベラル化しつつある社会では、選択肢が増える。つまり、もっと自己責任を求められる。

 

大人は更生しない。思春期過ぎた人間が心を入れ替えられるわけない。悪は後天的な本能だから。

過ちを犯す前に救えなかったのだろうか。救う手立てはなかったのか。自己責任で簡単に片付けられてしまう貴方の心は豊かなのだろうか。僕は社会を憂うことしか出来ない。