金のバロット

バロットとは、東南アジアを中心に食される孵化寸前のアヒルの卵を茹でたもの。

韓国映画「パラサイト」を語る。

僕は韓国映画が好きです。韓国の映画のレベルは日本より上なのは確かです。韓国は世界マーケットで戦うので国内だけでウケる映画では生き残れないのだと思います。

 

『パラサイト』は、ポン・ジュノ監督作品で主演はソン・ガンホ。恐い映画なのかなと見る前は思っていたが、そんなことはなくエンタメ性のある作品だった。ポン・ジュノ映画の醍醐味のブラックジョークがあまりウケてなかったような。僕は大好きなのに。

 

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あらすじ

半地下住宅に住む失業中のキム一家。息子のギウは友人からパク家の娘の家庭教師の代行を頼まれる。

ギウ及びキム一家はこの機に高台の豪邸に住むパク一家に家族総出で寄生しようと計画を練り動き始める。

 

 

予備知識をネタバレなしで知れます(↓)

https://www.konest.com/contents/korean_life_detail.html?id=26119

 

 

では、今作の魅力を語ろう。

 

・象徴的

序盤でソン・ガンホが象徴的と言います。メタフィクション的な発言なのですが、つまりこの映画はわかりやすい。

半地下住宅と階段、高台の豪邸

アメリカ好きの権威主義アメリカインディアン

 

 

↓以下ネタバレ込み。

 

・恐ろしい現実

ポン・ジュノは常に作品に現実を描いていると思います。今作の辛い現実とは。

パク一家は善人の金持ちです。『スノーピアサー』では上級階級が悪として描いていましたが、今作は違う。作中でもキム一家が口を揃えて言う。パク一家は良い人たちだと。パルムドールを獲った貧困を描く『万引家族』では、貧しい主人公の擬似家族は正しく、その他の社会が悪として描いていました。金持ちイコール悪という単純な描き方をしていないのが今作の良いところであり、恐い現実です。今作での悪は「無関心」ということです。

貧しさには下には下がいる。キム一家は半地下にいて半地上にもいますが、それより下の人たち。家政婦とその旦那です。そんな彼らが嘲笑う北の将軍。その下は北朝鮮の人々。貧しさは匂いと表現しています。切り干し大根のような匂い。臭いわけではなくそんな匂い。

家政婦の旦那は恐ろしいことを言います。地下生活をそんな長いことしているわけでもないのに、自分はずっとそこにいた気がする。そしてこれからも寄生できるのならずっとそこにしていたいと。

 

今作はどうやったらズルして金持ちに寄生出来るかと画策する話でした。そのオチとは、パク一家の旦那を殺したキム・ギテクがパク一家の地下で逃亡生活をしており、息子が真面目に働きその家を買い、親父を救い出すと心に誓うものでした。しかし、現実的には無理だと思います。客観視した時に絶望が待ち構えているオチでした。

 

酷いことするよ、ポン・ジュノ

 

 

ポン・ジュノのオススメ作品

 

殺人の追憶

・オクジャ

母なる証明

・スノーピアサー